以前、灯油の給油方法などをまとめた記事を書きましたが、灯油のハイシーズンにあたるこの時期に、前回書ききれなかった内容をお伝えしたいと思います。是非ご参考ください。
【関連コラム】
『シーズン到来前に!灯油の扱い方と給油方法まとめ』(2023.10.11)
灯油について~基礎知識おさらい
まず、灯油についての基礎知識のおさらいです。
●灯油の用途
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暖房や給湯機に使う燃料として冬場の生活に大活躍するイメージそのままです。その他、屋外やアウトドアのシーンの他、電気がつながらない状況などの緊急時に暖をとる、調理をする、明かりを作る等、防災面でも活躍の場があります。
●灯油の性質
次に、灯油の性質について簡単にまとめます。
・無色透明
・引火点40度~(ガソリンは-40度~)
・ガソリンに比べ揮発性は低い
・独自の臭気
このように、ガソリンに比べて引火点が高い(常温では燃えにくい)、揮発性が低いためガソリン程一気に燃え広がりにくい、という点と、比較的安価で正しい取り扱い方をすれば日持ちする点から、一般にも比較的取り扱いやすい油種と言えます。
(ただ引火点で言えば、霧状になると常温でも燃えやすくなる等の性質はありますので取り扱い時はやはり少しの火気でも注意が必要です。)
持ち運び・保管時のチェックポイント
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灯油は日持ちするものの、劣化はしていきます。
今一度持ち運びと保管時チェックポイントをご確認ください。
●灯油容器について
一般的には専用のポリタンクを使用されていらっしゃるかと思います。このポリタンクは約5年が使用期限となっており、製造年月はポリタンクの側面に印字されています。勿論、5年を経過しても問題なく使用できるケースもありますが、ひび割れや細かな穴から灯油がじわじわと漏れ出すなどのリスクが高まりますので、シーズンに入る前などにはチェックをお勧めします。
●キャップについて
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灯油な外気に触れることで、外気中の湿気と混ざってしまったり、ゴミやホコリが入り込んでしまう、というリスクが出てきます。水分やホコリなどは暖房器具などに入り込むと故障の原因となりえます。きちんとしまっているか、割れてないかなどはチェックするようにしましょう。
●持ち運びについて
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持ち運びについては、車に乗せる時など、不安定な場所に置かないことがまず基本です。また、段ボールやトレイを置いてその上の置くことも有効ですし、古いタンクであれば、大きなビニール袋に入れて使用すると直接車内や保管場所を灯油で汚すことも避けられます。
【緊急!】灯油をこぼした時は?
まずは、車内や室内も共通ですが、充分な喚起を行いましょう。灯油には独自の臭気があり、密閉された空間でその臭いに晒され過ぎると気分が悪くなったりしやすくなります。また、常温では燃えにくい性質を持っているとはいえ、引火のリスクも全くないわけではありませんので、火の気のない所でしっかり換気することが基本となってきます。
●まず最初に
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まずはすぐに拭き取るようにしましょう。なお、灯油などの油類を拭いたタオルは洗濯機にも入れられず、他の車のパーツも拭けなくなってしまうので、処分をお勧めします。
勿論タオル以外にも、新聞紙やキッチンペーパーなどで代用してもOKです。シミ取りと一緒で、軽く上からたたくようにして灯油を吸着させることがポイントです。
アルコールやパーツクリーナーなどを使うと灯油の揮発性を高められ、より効率よく作業が進められます。
●ニオイ対策
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灯油の臭いは、染み込んでいくことで範囲が広がり、衣服などを介してほかの所にも移っていきます。ですので、早めの処置が肝心です。重曹などの粉末洗剤を使って臭いを30分程度吸収させます。ない場合はお茶がら、小麦粉、コーヒーの粉などの代用も効果的です。それでもどうしてもかすかに臭いが残った場合は消臭剤などを積み重ねてかけていきたいところです。いずれにしても、こぼしてしまったときは根気のいる作業が待っていますので、再三の注意をしておきたいところです。
ちなみに衣服についてしまったときも、直接洗濯機に入れず、ついた箇所を手洗いでじっくり洗い、同じような臭い対策を行う必要があります。
残った灯油は来年も使えるの?
結論から言って、お勧めしません。特に灯油は劣化をすると、徐々に無色透明から黄色く変色をする性質を持っています。変色前の灯油でも、越年をする過程で湿気が入っていきます。すぐに不具合を起こすというわけではないですが、暖房機器の内部の錆の原因になったり、点火不良&消火不良を起こすリスクも高まります。
灯油のシーズンの終わりかけで不足分を購入の際は数量を減らす等、必要分を余らせず使い切らせるようにされるとよいと思います。
前述の緊急時も含め、様々な灯油にまつわるケースのご相談も承っておりますので、その際はお気軽にお尋ねください。