梅雨の時期からは特に運転している時に手放せないのが車のエアコン(冷房)ですね。熱い日差しで温まった車内をサッと冷やしてくれるエアコンは夏場の運転の心強い味方です。6月に入ると当社の各店舗でもエアコンのご相談を頂く機会が徐々に増えています。今回は本格的に暑くなる前に、車のエアコン(冷房)について解説をしたいと思います。 なお、今回のコラムと併せて下記のコラムもお読みいただけると、更に理解が深まるかと思いますので、是非ご一読いただけましたら幸いです。
コラム『今シーズンも大活躍!?夏場のエアコンの快適&燃費にやさしい使い方』(2022/07/13)
車のエアコン(冷房)が動く仕組み
エアコンは車のボンネットを開けたエンジンルーム内に設置されているエアコン系統から冷気を作り出し、車内に送り出す仕組みになっています。冷気を作り出す仕組みとしては、エアコン系統の各機器内をエアコンガス(冷媒)が循環することによって、外気が冷やされます。
まず、エンジン作動中にA/Cボタン(画像参照)を押すと、図内1.のコンプレッサーが回り始めます。ここでは、低温低圧状態のエンジンガスが圧縮され、70~80℃程度になる高温高圧の反液状に変化します。そこから、図2.のコンデンサーを通って、図3.のレシーバー内にて、コンデンサーで冷やされた高圧のエアコンガスを一旦蓄え、不純物等を取り除き、キレイにします。図4.のエキスパンションバルブまでくるとエアコンガスの温度・圧力が下がっており、気化熱によって空気を冷やす準備が出来上がっている形となります。

こうして低温低圧のエアコンガスが車内のエアコンユニット内にあるエバポレーターまで運ばれ、エアコン系統内に取り入れられた空気を一気に冷やします。また、その際に出る水分が出るので、除湿もそこで行われます。車内でエアコンをつけていると車外の車の下から水がしたたり落ちていると思いますが、それは大体がエバポレーターから排出された水分です。
また、長く運転しているとおこりやすいのですが、車内にも結露が出ることもあります。夏場にブレーキやアクセルペダル付近などが濡れていたりなどでびっくりされた経験のある方もいらっしゃるかもしれませんが、原因は大体がエアコン系統から排出された水分です。
以上のように、難しい名前の装置がいくつか出てきてしまいましたが、エアコンから冷たい空気が流れだすにはエアコンガスが車の内部の様々な装置を通って空気を冷やしているんだということを押さえていただけたらと思います。
こんなときどうすればいい?エアコンチェックのポイント
●エアコンからの臭いが気になる…
これは年中通して起こりえる問題です。何となく臭う程度の物であれば、エアコンフィルターを見てあげると良いと思います。汚れが溜まっていたら掃除をしてきれいにしてあげるか、ひどいものであれば交換してあげるのもいいでしょう。ほこり臭さなどに関しては改善すると思われます。
(交換の目安は、使用開始から1年か、10,000~12,000kmの走行ごとに変えられるとよいと言われています。)
もしカビの臭いがする場合は、エバポレーター周辺の掃除が必要になります。先ほども触れましたが、空気を冷やす旅に出る湿気が溜まりやすい部分になりますので、水分が残ると、カビや生乾きの臭いがこびりつく原因にもなってきます。
重度の場合は作業が大掛かりになりやすいものになるので、年に1回程度夏前などか、気になり始めた時に市販のクリーナーなどで簡単にお掃除をするか、もっと簡単な方法では、運転を終える前に送風モードに切り替えて、風量を強くすることによって湿気を飛ばすのも有効となります。(送風モードは、ACスイッチ、AUTOスイッチ、HEATスイッチといった空調系のスイッチをすべて切った状態です。この時は、風量を最大まで回しましょう。)
●エアコンの効きが悪い、もしくは効かない

梅雨前後の時期に差し掛かり、暑くなってくると、店頭でそのようなご相談を頂くことが多くなります。今回、簡単なチェック方法とポイントをご紹介しますので、ご参考になればうれしいです。
【エアコンチェック方法】

・設定温度を下げて風量を上げてみる
・エアコンフィルターの汚れを見てみる
・内気循環に切り替えて効果はあるか
設定温度と外気の差を広げるとその分車内の温度を設定温度まで下げようとするため、車内が冷えているか確認がしやすくなります。また、エンジンフィルターが詰まっていると、エアコンの効果も半減します。最後にエアコンの設定を内気循環(外気を取り入れず、車内の空気を繰り返し使って冷やしていく)にしても変化がない場合は、以下のような原因でエアコンが効かない状態になっていると言ってよさそうです。
●エアコンガスが減っているor汚れている場合

付着してそこまで時間が経っていないものであれば、ドライブスルー洗車や、エアコンガス自体は、走行中の振動などによって徐々に少なくなっていきます。更に使用をしていくうちにエンジンオイルと同じく汚れや不純物が蓄積していきますので、徐々にそういったところから徐々に冷房が効きづらくなっていきます。とはいえ、エアコンガスの交換や補充はオイルなどに比べても交換サイクルは長く、7年程度(車検3回分)に1回程度に行う程度が目安になります。長く乗っている車や型式が古いお車をご利用されている方で、先ほどご紹介したエアコンチェック方法を試してみて、効果がないお客様はまずはご相談ください。
喜多村石油店版エアコンケアメニュー表
最後に、ご参考までに当社で行っているエアコン点検のメニューをお知らせいたします。 気になる方はまずは無料点検から行っておりますのでお気軽にお店でお声掛けください。
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